
千年家具では「プロセス」をとても大切にしています。最先端テクノロジーを用いた乾燥工程を経て、一枚板は職人の手によって丁寧に仕上げられ、洗練された商品としてお客様のもとへ届きます。お客様のお手元に届くまでに、私たちがプロとして誇りをもって行っている製造過程の一部をぜひご覧ください。
dryness01 乾燥
千年家具は「乾燥工程」に膨大な「コストと時間」をかけています。
①自然乾燥:2〜10年超通気性の良い屋根下で乾燥を行います。平衡含水率15%(±2%)まで低減<群馬県.貯木倉庫の一部>
②低温式人工乾燥:40℃に温度管理された乾燥庫に入れます、旧式のボイラー式等の高い熱を加える乾燥機とは異なり時間は掛かりますが、変色や変質などの問題が生じにくいのが特徴です。60~90日程度かけて目標含水率10%(±2%)までゆっくりと乾燥を進めます。
③高周波プレス:原理的には電子レンジと同じで水分子を振動・回転させながらプレスする事で、更に水分を調整しつつ、平衡含水率6%前後に均一にします。原板60mm厚とした場合に3層(20・20・20)で考えると、空気に触れていない中心20mmの含水率がこの工程によってのみ作用して低減できます。よく耳にする問題→無垢材は反りやすい・割れてしまうという最大の要因は無垢材の中心付近に残留している水分にあります。これは天日干しや人工乾燥では殆ど作用出来ません。高周波プレスという新しいテクノロジーは唯一その問題にリーチできます。古人は無垢材が身近でしたからその性質は良く理解していました。ですから「板」という文字を分解すると、「木が反る」と書くのです。千年家具は無垢材加工において、高周波プレス=最も重要な工程と捉えています。当該工程により無垢材が”安定した状態”となります。高周波プレス機は極めて大型の機械ですので設置できる場所が限られます。 そして何より数千万円の設備ですので日本には数台しか有りません。現代の室内空間は気密性が高くなっています、加工方法もそれに伴い変化していく必要があります。新しいテクノロジーによって、千年家具は高い品質と安心をお届けします。
PRESS02 高周波プレス
建築家でも有り、コノイドチェアで世界的にも著名なジョージナカシマが現代的な一枚板の加工を行い、クラフトマンとしての歴史を築いて以降、一枚板テーブルは高周波プレスというテクノロジーを中心に新しいステージに入っています。これは販売者側の論理では無く時代が求めるカタチだと言えます。現代では一定の乾燥工程を経て一枚板が生み出されます。そして住空間も気密性が高く、昔のように隙間の多い住宅では無くなっています。加工方法もそれに伴い変化していく必要があります。千年家具の一枚板に於いて問題が生じるという事は自然界に無いような極端な環境下に長時間晒された場合とお考え下さい。つまり使用する方が少しその環境に留意すれば、極めて長く一枚板との素晴らしいストーリーを描く事が出来るのです。現代は新しいテクノロジーによって我々、千年家具が取り入れているような「高い乾燥技術」が確立しています。
processing03 削り出し加工
一枚板は有機物ですので、高周波プレス機にかけたあとも僅かに反りや割れが起こります。その反りや割れを職人の手で、1つ1つ丁寧に削り出しや埋め加工を行います。削り出しではカンナやサンダーを使用して反った部分を数ミリ単位で少しずつ平行に削り出します。少しでも削りすぎてしまうと平面が保てず、テーブルとしての機能を果たさなくなってしまうため、高度な技術が必要な作業になります。割れ部分に関しましては、上記削り出しにて出た木の粉を使用して埋め加工を行います。割れが起こる条件に個体差があるため、埋め加工に使用する粉は実際に対象の木を削った粉を使用する為、収縮率も同等で後々トラブルも生じ難い特徴があります。同樹種の粉で埋めることで色味も近似し埋めた個所も削り出しを行うため、自然と馴染んだ仕上がりになります。
coating04 セラウッド塗装
セラミックの超微粒子(ファインセラミックス)の効果で、紫外線≒エイジングへの耐性や耐熱性において高い性能を備えております。オイル仕上げで耳にしますが、『輪じみ』はウレタン塗装でも生じます、80℃以上熱いモノを置くと白っぽい痕が付いてしまいます。油や洗剤などでもシミが出来易いので使用上注意が必要となります。因みにウレタン塗装にできてしまったダメージは一旦お預かりして補修しないと直す事は出来ません。上記に加えて紫外線への耐性の無いウレタン塗装は、紫外線による化学変化で黄色く変色(「黄変 おうへん」といいます)します。表面を覆う塗膜が黄変してしまう為、対象物の色味の印象が大幅にズレてしまいます。現在はそれを改良した「非黄変、無黄変ウレタン塗料」が流通しておりますが改良品も黄変の性質を一定期間抑制するに過ぎません。無垢の特徴としても経年で色味が変わるので仕上げには注意が必要ですが、セラウッド塗装は紫外線を約9割カットします。千年家具は無垢の仕上げに<ウレタン塗装・オイル仕上げ>のような従来品を用いることに疑問を持ちより良いものに「塗り替える」べく、当社プロダクトは「セラウッド塗装」で原則ご提供しております。「耐熱性200℃」、汚れや化学薬品も寄せ付けない優れた機能性を持っていますのでメンテナンスフリーでお使いいただけます。さらに、セラウッド塗装はF☆☆☆☆認定を受けていますので人体に無害です。セラウッド塗装はやや高価ですが上述の機能性を踏まえればコストパフォーマンスにも優れた仕上げでもあります。